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これで良いのか?

こんにちは、戸井田とおるです!
いつもお世話になり、心より感謝いたしております!

「かんぽの宿」の譲渡問題に端を発し、鳩山邦夫前総務大臣更迭に発展した日本郵政株式会社をめぐる騒動は取り敢えず決着した旨の報道がなされた。新聞報道によると、
「日本郵政株式会社の西川善文社長の続投が決定され、西川社長自身の報酬30%返上3ヶ月返上する処分案が佐藤総務大臣に提示され了承された。西川社長は4月の業務改善命令で受けた反省点として、不動産売却を審査する専門機関設置といった改善措置の一年以内の実施や、ガバナンス(企業統治)を確保するための日本郵政経営諮問会議(仮称)を新設する考えを伝えた。」
処分はなされたが、これで国民の理解と納得は得られるとは思えない。4月3日に提示された業務改善命令(「日本郵政株式会社法第14条第2項に基づく監督上の命令等」)に対する回答は25日に提出されるのだろうが、処分が先に下されるというのもおかしな話だ。私も全文読んでみたが、こんな状態で来年日本郵政株式会社が上場を果たせるとはとても思えない。以下業務改善命令の内容をを掲載いたしますので、じっくり吟味してください。

以下「日本郵政株式会社法第14条第2項に基づく監督上の命令等」引用開始

平成21年4月3日
総情企第43号
日本郵政株式会社取締役兼代表執行役社長
 西川 善文 殿

総務大臣 鳩山 邦夫    印


日本郵政株式会社法第14条第2項に基づく監督上の命令等

 日本郵政株式会社(以下「御社」という。)が、オリックス不動産株式会社へ、かんぽの
宿等を一括譲渡しようとした問題(以下「本事案」という。)については、国会等において、
譲渡先選定方法、譲渡時期及び譲渡方法等に係る御社の判断等を巡り、多くの議論の対象
となっているところである。
 総務省は、本事案における譲渡先選定過程等について、適切性及び妥当性を確認するため、本年2月4日付けで、日本郵政株式会社法(平成17年法律第98号)第15条第1項に
基づき御社に報告を求め、同月16日に報告書を受けたところである。
 総務省において、報告書の受領後、関係書類の精査及び御社から説明を聴取する等し、
譲渡先選定過程、譲渡価格その他の条件等及び御社内の意思決定過程等の事実関係の調査・検証を行ったが、以下の点が判明した。

1 国民共有の財産に対する認識について

 御社が日本郵政公社から承継した財産が国民共有の財産であると認識すべきものであることは言うまでもない。したがって、当該財産の譲渡に当たっては、これまでの歴史的経緯を尊重し、地域への事前説明と理解を経て、国民利用者全体への説明責任を果たすことを前提に、譲渡先における施設の有効利用や適正な譲渡価格を実現するよう、慎重に行うべきものである。
 しかし、本事案においては、地域への事前説明や理解も求めず、御社内の意思決定のみで入札手続を開始する等、国民共有の財産を処分することの基本的認識が欠如していたと言わざるを得ない。
 先述したように、国民共有の財産の譲渡は、譲渡先における施設の有効利用を前提に、適正な価格での譲渡が望まれるものである。しかし、御社には、入札価格を評価する際に用いるべき最低価格を決定する仕組みがないばかりでなく、事業譲渡・社員の雇用継続を前提とした極めて低い鑑定評価を前提に行われた減損処理後の帳簿価額を入札価格の評価の基準に使用していること、個別売却の選択肢もあった財産(9社宅)について、一括譲渡を前提として鑑定評価額や帳簿価額を大きく下回る入札価格を適当と判断していたこと等から、本事案に係る意思決定が、適切に行われたとは判断できない。
 さらに、譲渡対象となる財産の適正な譲渡価格を形成するためには、経営改善等による財産価値の向上等が必要であり、また、経営者としての重要な責務であるが、本事案に関しては、これからの努力が不十分なまま入札手続きが開始されている。
 一方、譲渡時期については、その決定自体は経営判断に属するものではあるが、昨年夏以降の不動産市況の低迷の中、アドバイザーによる中止も含めた選択肢の提示が2度にわたり行われていたにもかかわらず、適切な譲渡時期や譲渡方法について、御社内で具体的な検討が行われていない等、御社が行った経営判断が適切なものであったかにつ



いては疑問が残るところである。
 以上から、御社は、本事案の意思決定について、国民共有の財産の譲渡に関する基本的認識を欠いていたものと判断する。

2 入札手続き等の公平性・透明性について

 国民共有の財産を処分するに際しては、公平性・透明性のある手続きにより行われる必要があるところである。本事案における手続きに関して、最終契約に至るまでの過程を調査した結果、御社が自ら譲渡先選定の重要事項としていた施設の譲渡禁止や雇用条件の
維持が、入札当初の段階において応札予定者に開示されていないこと、対象物件の削減という重大な変更事項を口頭ベース行っていること等入札者との面談や交渉の経緯が記録化されていないこと、審査の評価基準が抽象的で、かつ評価項目間のウェイト付けが
なく、また審査に関する協議の議事録も作成していないこと、さらには審査に当たっている者の個人名を指定しての経営体制の提案を受容していること、などが明らかとなり、御社の「入札が公平かつ透明に行われた」との主張を受け入れることはできない。
 また、アドバイザーの選定の過程においても、審査には客観的な評価方法を用いているが、詳細に検証するとその評価結果に不自然な点数の変化が見られる。
 以上のように御社の入札手続き等は公平性・透明性の観点から改善を要する状況にある
と判断する。

3 企業統治について

 御社の経営者には、企業統治に係る責任があるところ、本事案においては、アドバイザー及び譲渡先の選定・審査における御社内の意思決定が担当執行役又はその上席の執行役の専決で行われており、また、重要な契約条項の実際の取り運び方について、相手方との間で口頭確認のみが行われたとされており、合意メモすらも残されていないため、合意内容が客観的に確認できないことから、本来、執行役の業務の監督を行うべき取締役会や内部監査が十分に機能していたか疑問が残る。国民共有の財産に関する認識の欠如も含め、その意思決定態勢自体に、大きな問題があるものと判断する。
 また、入札手続き等の過程については、2次入札者の決定等、譲渡先選定に係る重要な意思決定が上司への口頭報告等で行われたため、役員共同での適正な意思決定が行われ
たかについて、事後的・客観的に確認できない状況にある。
 さらに、国会や総務省への本事案に関する説明も二転三転する等、国民利用者に対する説明責任を十分に果たしていない状況にある。

4 個人情報保護について

 御社は、一括譲渡の理由の一つとして、御社が有する「かんぽの宿メンバーズカード」の存在を挙げている。御社は、約120万人分の個人情報を譲渡しようとするに当たっ
ては、個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号)に従い、その取り扱いには慎重を期すべき立場にある。しかし、本事案に係る契約の最終交渉段階に至っても、
御社は、譲渡先に対し、その使用目的の確認や同法の遵守の要請を行っておらず、個人
情報保護に関する認識に対して問題点を提起せざるを得ない。
 
これら指摘の点は、財産の譲渡のみならず、適正な企業経営全般を実現するために、早急に改善・是正されるべき事項であると判断する。
 現在、御社では、「不動産売却等に関する第三者検討委員会」において、不動産売却等についての基本的な考え方の検討を行っているところと承知しているが、同委員会の議論等

も踏まえ、上記指摘事項についての改善・是正に必要な措置を早急に講じることを、日本郵政株式会社第14条第2項に基づき命ずる。また、同法第15条第1項に基づき、この命令により講じた措置について、6月末までに報告するとともに、その後の措置状況を
当分の間、四半期ごとに報告するよう求める。


(別紙)
具体的な主な事例

1 国民共有の財産に対する認識について
・ 地域への説明は行っておらず、配慮がなかった旨を、西川社長が国会で発言している。
・ 事業譲渡・社員の雇用継続を前提とした極めて低い鑑定評価を前提に行われた減損
処理後の帳簿価額を入札価格の評価の基準に使用しているにもかかわらず、最終契約
書における内容は、上記前提とは異なっており、改めて鑑定をやり直して売却の可否
について判断すべきであった。
・ 社宅も含めた一括譲渡は、労組との合意事項として説明しているが、労組との間で代替
案の十分な協議も行っていないほか、1年間の使用対価として、帳簿価額(32億円)を
大幅に下回る入札額(9億円)による売却決定を行っている。
 ・ 本事案においては、いわゆる予定価格等をあらかじめ設定する仕組みが存在しておらず、アドバイザーからは、市況悪化を受けて、2度にわたって「中止」も含めた選択肢の提示を受けていたにもかかわらず、社内では十分な検討が行われていないまま、手続きを継続させ、低い譲渡価格での決定を行った。
・ 稟議書によれば、アドバイザー選定の際の譲渡価格は640億円程度を想定していた。また、予備審査の段階で、高額の譲渡価格を提示した者を除外した。
 ・ 一括譲渡ではなく、個別売却の方が雇用や処分価格に関して有利であるとの報告書があったにもかかわらず、一括譲渡を選択した。

2 入札手続き等の公平性・透明性について
・ 重要事項(例:レクセンターを除外し、譲渡価格の引き上げを行う指示)が口頭伝達
されていたり、入札者との面談記録が存在しないことから、重要事項の伝達が入札者に
公平に行われたか確認できない。
・  施設の譲渡禁止、雇用条件の維持といった重要事項が、入札当初の段階において応札予定者に開示されていない。
・  最終審査の評価基準が抽象的で、かつ評価項目間のウェイト付けもない。
・  最終審査時には評価項目ごとの審査を行っておらず、議事録も作成されていない。
また、稟議の際に使用した審査表は、誤記や事実誤認させる記述がある。この審査表により、優先交渉権の付与の決定が行われている。
・  最終審査表等に新設分割会社の経営陣として、審査に当たっている者の氏名が具体的に記載されており、審査体制上の適切性を欠いている。
・  一括譲渡が重要としておきながら、最終的な契約では、2年間の転売禁止期間内でも個別施設の譲渡を容認している。
・  アドバイザー選定において、1次審査を経て2次審査を行うことを決定していたにもかかわらず、企画提案書の提出者には2次審査があることについて伝達せず、1次審査の予備日としてスケジュール確保を要請している。
・  アドバイザー選定の2次審査において、1次審査と同じ資料を用いて、同じ審査項目で審査を行っているのに、引き続き審査を行った者が、最終落札者の評価を上げ、競合相手の評価を引き下げたことにより評価結果が逆転している。

3 企業統治について
・  譲渡選定過程での社内の意思決定が、担当執行役及びその上席の執行役の専決で行われているが、取締役及び取締役会の監督や内部監査が十分機能していたとは言えない。
・  個別施設譲渡の際の当事者間の協議、社宅の使用条件といった重要事項の実際の取
り運び方については、契約書上に明記されていないだけでなく、口頭で確認していたとされているだけであり、合意メモもない。

・ 譲渡先選定過程での意思決定が、取締役への口頭説明のみであり、報告・検討内容が確認できない。
・  国会等における入札の性格、施設の譲渡制限等の説明は、一貫性のないものとなっており、説明責任を十分に果たしていない。
・  取締役会は、担当執行役の業務遂行について十分な監督を行っておらず、9社宅の帳簿価額(32億円)を大幅に下回る価額(9億円)で譲渡することについて、何らの確認なく意思決定を行っている。

4 個人情報保護の遵守について
・  最終契約の交渉手段に至っても、「かんぽの宿メンバーズカード」に係る個人情報の取り扱いについて、譲渡先に対して、注意喚起や使用目的の確認等を行っていない。

以上引用終わり。

戸井田とおる





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